やけど(熱傷)
私たちの日常生活の中で、やけど(熱傷)は非常に身近な怪我のひとつです。お料理中のうっかりした接触や、冬場の湯たんぽによる低温やけどなど、原因は多岐にわたります。「これくらいのやけどなら放っておいても大丈夫だろう」と自己判断してしまいがちですが、実は初期対応やその後のケアが、将来的な「痕(あと)」の残り方に大きく影響します。
横浜駅きた西口から徒歩3分の場所に位置する「スピカ スキンクリニック 横浜」では、日本皮膚科学会 皮膚科専門医である院長が、一人ひとりのやけどの状態を正確に診断し、最適な治療を提供しています。私たちは、痛みを速やかに和らげることはもちろん、将来的に皮膚のつっぱりや変色が残らないよう、専門的な視点からきめ細やかな処置を行うことを大切にしています。
特に、お仕事や学校で忙しい方でも無理なく通院を継続できるよう、当院では夜間診療を行っております。横浜駅周辺にお住まいの方やお勤めの方はもちろん、神奈川区台町近隣の皆様が、急なやけどの際にも安心して受診できるクリニックを目指しています。アトピー性皮膚炎などの慢性疾患治療で培った、皮膚を健やかに保つためのノウハウを活かし、患者さんの不安に寄り添った医療をお届けします。
やけど(熱傷)の原因
やけどの原因は、単に熱いものに触れた時だけではありません。皮膚の組織が損傷を受けるきっかけには、いくつかのパターンが存在します。どのような状況で受傷したかによって、ダメージの深さや範囲が変わってくるため、診察時には原因を詳しくお伺いしています。
高温の物質との接触(温熱熱傷)
最も一般的な原因であり、日常生活の中で頻繁に起こります。液体によるものと、固体によるものに分けられます。
- 沸騰したお湯、スープ、コーヒーなどの熱湯。
- アイロン、ストーブ、調理器具などの高温の金属。
- 火災などの火炎そのものによる損傷。
低温やけど(低温熱傷)
体温より少し高い程度の温度(40度から50度くらい)のものに、長時間触れ続けることで起こります。
「熱い」という感覚が乏しいため、気づかないうちに皮膚の深い部分までダメージが進行していることが多く、注意が必要です。特にお年寄りや、感覚が鈍くなっている方、深い眠りについている時に起こりやすい傾向があります。原因としては、カイロ、湯たんぽ、電気毛布、スマートフォンなどが挙げられます。
化学物質による損傷(化学熱傷)
強酸や強アルカリなどの薬品が皮膚に付着することで起こる損傷です。熱によるやけどとは異なり、薬剤を取り除かない限り皮膚への浸透が続くため、非常に深刻な状態になることがあります。洗剤や工業用薬品、一部の除草剤などが原因となります。
電気による損傷(電撃傷)
電流が体を通り抜ける際に発生する熱によって起こるものです。皮膚の表面だけでなく、筋肉や神経など、体の深部にまで深刻なダメージを与えるのが特徴です。コンセントのいたずらや、落雷、高電圧機器への接触などが原因となります。
やけど(熱傷)によって引き起こされる病気
やけどそのものも辛い症状ですが、適切な処置を怠ったり、損傷が深かったりすると、二次的なトラブルや合併症を引き起こすことがあります。これらを防ぐことが、皮膚科での治療の大きな目的でもあります。
二次感染(細菌感染症)
やけどを負った皮膚は、バリア機能が著しく低下しています。そのため、細菌が侵入しやすい状態になっており、化膿してしまうことがあります。
感染が起こると傷の治りが遅くなるだけでなく、痛みが強くなったり、全身に発熱などの症状が出たりすることもあります。特に水ぶくれを自分で破ってしまうと、そこから細菌が入りやすくなるため、当院では清潔な状態を保つ指導を徹底しています。
詳細については「とびひ(伝染性膿痂疹)」のページを参照してください。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とケロイド
やけどの傷あとが赤く盛り上がったり、硬くなったりする状態です。
深い熱傷や、治癒までに時間がかかった場合に起こりやすく、かゆみや痛みを伴うこともあります。関節の近くにできると、皮膚の引きつれ(拘縮)によって動きが制限される原因にもなります。早期に適切な外用薬(塗り薬)や処置を行うことで、これらのリスク因子を軽減できるよう努めています。
色素沈着と色素脱失
やけどの跡が茶色く残る「炎症後色素沈着」や、逆に白く抜けてしまう「色素脱失」が起こることがあります。
お顔や腕など、目立つ部分にこれらの変化が残ると、心身に強いストレスを感じる方も少なくありません。特に強い紫外線に当たると色素沈着が悪化するため、治癒後のUVケアも非常に重要です。当院では、治療後のアフターケアまで含めたトータルなサポートを行っています。
やけど(熱傷)の処置や治療法
やけどの治療において最も大切なのは「早めの冷却」と「重症度の正しい見極め」です。当院では、患者さんの皮膚の状態を見極め、痛みを最小限に抑えながら、きれいに治るための処置を選択します。
応急処置(ご自宅でできること)
まずはすぐに水道水などで冷やしてください。目安は15分から30分程度です。冷やすことで、熱によるダメージが皮膚の深い部分に広がるのを防ぎ、痛みも和らぎます。
- 服の上からやけどをした場合は、無理に脱がさず服の上から冷やしてください。
- 氷や保冷剤を直接長時間当てると、凍傷(とうしょう)を引き起こす可能性があるため、タオルなどで包んで使用してください。
- アロエや味噌などを塗る民間療法は、感染のリスクを高めるため絶対に行わないでください。
重症度の診断(深さの判定)
皮膚科専門医は、やけどの深さを以下の3段階で診断します。
1度熱傷(いちどねっしょう)
皮膚の表面(表皮)だけのダメージです。赤みとヒリヒリした痛みがありますが、数日で治り、痕(あと)はほとんど残りません。
2度熱傷(にどねっしょう)
表皮の下の真皮(しんぴ)にまでダメージが及んだ状態です。水ぶくれができるのが特徴です。
浅い場合(真皮浅層熱傷;SDB)は痛みも強いですが、2週間ほどでほぼ痕(あと)を残さずに治ります。深い場合(真皮深層熱傷;DDB)は治るまでに3週間以上かかり、痕(あと)が残りやすくなります。
3度熱傷(さんどねっしょう)
皮膚の全層、さらに下の組織(皮下)までダメージが及んでいます。皮膚が白っぽくなったり、黒く焦げたりします。神経まで損傷するため、痛みを感じません。皮膚を移植する手術(植皮)が必要になります。
クリニックでの治療内容
当院では、診断結果に基づき、最新の知見に沿った治療を行います。
- 外用療法(塗り薬)・・皮膚の再生を促す薬や、細菌感染を防ぐ抗生剤の軟膏を使用します。
- 被覆材(ドレッシング材)・・傷口を密閉して適度な湿り気を保つことで、痛みを軽減し、皮膚の再生を早める治療です。
- 内容液の穿刺(せんし)・・大きな水ぶくれは、清潔な針で内容液を抜くことがありますが、水ぶくれの膜(水疱蓋)は保護膜になるため剥がさず温存します。
- 内服薬(飲み薬)・・痛みが強い場合は痛み止め、感染の恐れがある場合は抗生剤を処方します。
やけど(熱傷)についてのよくある質問
Q1. 水ぶくれができてしまいましたが、自分で破ってもいいですか?
A1. いいえ、ご自身で破らないようにしてください。水ぶくれの皮は、傷口を外部の刺激や細菌から守る「天然の絆創膏」の役割を果たしています。破ってしまうと、そこから細菌が入って感染症を起こしたり、治りが遅くなったりする原因になります。大きくて気になる場合は、当院で適切に処置いたします。
Q2. 低温やけどは普通のやけどと何が違うのですか?
A2. 低温やけどは、見た目の赤みは少なくても、実は皮膚の深いところまでじわじわと「加熱」されているため、重症化しやすいのが特徴です。治るまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。放置すると潰瘍(かいよう-皮膚が深くえぐれること)になることもあるため、早めに受診してください。
Q3. やけどの痕(あと)をできるだけ残さない方法はありますか?
A3. 早期に正しい治療を開始し、傷口を乾燥させない「湿潤療法(しつじゅんりょうほう)」を適切に行うことが最も重要です。また、治りかけの時期に紫外線を浴びると色素沈着が定着してしまうため、遮光対策を徹底することも大切です。当院では、傷が治った後のケア方法についても詳しくご説明しています。
Q4. 受診のタイミングがわかりません。どの程度のやけどで行けばいいですか?
A4. 水ぶくれができた場合、範囲が広い場合、痛みが強い場合、顔や手などの目立つ部分の場合は、迷わず受診してください。また、小さなやけどでも数日経って痛みが強くなったり、赤みが広がったりしてきた場合は感染の疑いがあります。自己判断で市販薬を使い続けるよりも、専門医に一度見せる方が安心です。
Q5.受診までに何をしたら良いですか?
A4. 流水で30分以上患部を洗いながら冷やし、お持ちでしたら清潔なガーゼでふんわりと覆って来院して下さい。よくドラッグストアで販売している「患部に密着して痛みを和らげる弾力性と厚みのある絆創膏」は貼らないで下さい。それを貼ってしまうと、剥がすときに皮膚をかなり引っ張らないと取れないため、非常に強い痛みを伴い、水ぶくれも破れ、剥がすという行為だけで気分が悪くなって嘔吐してしまうようなケースがあります。これまでに来院されたやけどの患者さんの7割以上が同製品を貼ってこられましたが、自己流での使用はお勧めしません。
料金について
やけどの治療は、基本的に保険診療(健康保険適用)となります。
| 項目 | 費用の目安(3割負担の場合) | 備考 |
|---|---|---|
| 初診料・再診料 | 約400円 - 1,100円前後 | 別途、お薬代等がかかります。 |
| 創傷処置(やけどの処置) | 約150円 - 1,500円前後 | 面積や処置内容により変動します。 |
| お薬代(院外処方) | 約500円 - 1,500円前後 | 薬局にて別途お支払いいただきます。 |
※上記はあくまで目安です。重症度や検査、投薬の内容によって異なります。乳幼児医療費助成等の対象となるお子さんの場合は、自治体の制度に応じた自己負担額となります。
院長より
やけどをした直後は、誰しも驚き、不安になるものです。特に小さなお子さんがやけどをされた際、保護者の方が「自分の不注意のせいだ」とご自身を責めてしまう場面を、これまで何度も目にしてきました。しかし、大切なのは過ぎたことを悔やむことではなく、「今、いかに最善のケアをしてあげるか」です。
私は日本皮膚科学会 皮膚科専門医として、これまで多くの皮膚疾患と向き合ってきました。当院が最も力を入れているアトピー性皮膚炎の治療においても、最も重要なのは「皮膚のバリア機能をいかに回復させるか」という点です。これは、やけどの治療においても共通する極めて重要なポイントです。ダメージを受けた皮膚を適切な湿度と清潔さで守り、再生をサポートする。その積み重ねが、きれいな仕上がりへと繋がります。
私の親族には、アトピーのかゆみのために目の周りを擦り続け、20代で白内障の手術をした者がいます。その経験から、私は「皮膚のトラブルで、その後の人生に影を落とすような人を一人でも減らしたい」という強い思いを抱いています。やけども同様です。適切に処置をすれば残らなかったはずの跡に、一生悩んでほしくないのです。
当院は、横浜駅という大規模ターミナルからすぐの場所にあり、夜間診療も行っています。「仕事帰りにしか通えない」「部活動の後に受診したい」という方々が、治療を断念することなく続けられる環境を整えました。お薬の塗り方ひとつについても、私たちは資料を用い、身につくまで何度でも丁寧にご説明します。
「これくらいで受診してもいいのかな?」と遠慮する必要はありません。スピカ スキンクリニック 横浜は、あなたの皮膚のかかりつけ医として、どんな小さなお悩みにも真摯に向き合います。どうぞ安心してお越しください。
受診をお考えの方は「受診について」のページで詳細を確認いただけます。

