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蕁麻疹(じんましん)の治療

蕁麻疹(じんましん)は、ある日突然、皮膚の一部が赤く盛り上がり、強い痒みを伴う非常に身近な皮膚の病気です。蚊に刺されたような跡が全身に広がることもあり、驚いて受診される患者さんも少なくありません。スピカ スキンクリニック 横浜では、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医が、患者さん一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診断と治療を行っています。私たちは、単にお薬を処方するだけでなく、横浜駅きた西口から徒歩3分という通いやすい立地と夜間診療を活かし、症状が長引く慢性的な蕁麻疹にお悩みの方が、無理なく治療を継続できる環境を整えています。痒みによるストレスを軽減し、早期に健やかな日常生活を取り戻せるよう、全力でサポートいたします。

蕁麻疹(じんましん)の症状について

蕁麻疹(じんましん)の治療蕁麻疹の最も大きな特徴は、皮膚の一部が蚊に刺されたようにぷっくりと赤く盛り上がる「膨疹(ぼうしん)」と呼ばれる発疹です。この膨疹は、非常に強い痒みを伴うことが一般的ですが、チクチクとした痛みや、熱感(ほてり)を感じることもあります。

蕁麻疹の症状には、他の皮膚病にはない非常にユニークな性質があります。それは、個々の発疹が数十分から数時間以内に跡形もなく消えてしまうという点です。長くても24時間から48時間以内には消退しますが、別の場所に次々と新しい発疹が出現するため、まるで移動しているように見えることもあります。場合によっては、小さな発疹同士がつながって、地図のような巨大な形になることも珍しくありません。

また、皮膚の表面だけでなく、深部で腫れが生じるケースもあります。これを「クインケ浮腫(血管性浮腫)」と呼びます。通常の蕁麻疹とは異なり、痒みよりも重だるいような違和感や腫れが目立ち、唇やまぶた、舌、手足などが突然パンパンに腫れ上がるのが特徴です。通常の蕁麻疹を伴うこともあります。クインケ浮腫の場合は、症状が消えるまでに数日かかることもあります。

特に注意が必要なのは、粘膜に症状が出た場合です。万が一、喉(気道)の粘膜が腫れると、声がかすれたり呼吸が苦しくなったりする恐れがあります。このような場合は非常に危険ですので、迷わず早急に救急医療機関を受診してください。

蕁麻疹(じんましん)の原因について

蕁麻疹の原因は多岐にわたりますが、実は、病院を受診される患者さんの多くは、原因が一つに特定できない「特発性(とくはつせい)蕁麻疹」に分類されます。当院へ来院される際も「何のアレルギーか調べてほしい」と血液検査を希望される方が多いのですが、実際には食べ物やダニなどのアレルギーが原因であることはそれほど多くありません。

物理的な刺激や生活環境の影響

特定の物質に対するアレルギー反応以外にも、以下のような物理的な刺激が引き金となって発症することがあります。

  • 皮膚への摩擦や、圧迫(重い荷物を持つ、下着の締め付けなど)
  • 急激な温度変化(お風呂上がりや、冷風にさらされた時など)
  • 日光(紫外線)への露出
  • 運動や入浴による発汗(コリン性蕁麻疹)
  • 精神的なストレスや、過度な疲労の蓄積
  • 特定の食べ物を摂取した後に運動をする(非ステロイド系消炎鎮痛剤の内服で症状が増悪)

内服薬の影響

意外と見落とされがちなのが、お薬による影響です。風邪薬や痛み止め(非ステロイド系消炎鎮痛剤)、あるいは血圧を下げるお薬などが原因で蕁麻疹やクインケ浮腫が起こることがあります。新しいお薬を飲み始めてから症状が出た場合は、必ず医師にお伝えください。

遺伝子異常

遺伝性血管性浮腫という病型に関しては、その原因としてC1-INH等の遺伝子変異/欠損などが報告されていますが、患者数は限られています。発作の誘因には、ストレス、感染、薬剤(ACE阻害剤、DPP-4阻害剤など)、月経、歯科治療などが挙げられます。家族歴がない場合もあり、診断には特殊な検査が必要となるため、疑わしい場合は高度医療機関をご紹介します。

原因検索のための検査について

当院では、蕁麻疹の原因を調べる目的だけでの血液検査は行っていません。日本皮膚科学会のガイドラインでも原因検索目的での血液検査は推奨されておりません。蕁麻疹は、体調やストレス、環境因子が複雑に絡み合って起こるものであり、検査で原因を一つに絞ることは非常に困難です。私たちは、検査に頼るよりも、現在の症状をいかに早く抑え、快適に過ごせるようにするかという治療のゴールを大切にしています。

蕁麻疹(じんましん)の病気の種類について

蕁麻疹は、症状が続いている期間や、どのようなきっかけで起こるかによって、いくつかの種類に分類されます。ご自身の症状がどれに当てはまるかを知ることは、適切な治療法を選択する上で非常に重要です。

特発性蕁麻疹

医療機関を受診する蕁麻疹の中では最も多いタイプです。直接的な原因や誘因がなく症状がほぼ毎日出没します。皮疹の形は様々で,小豆くらいの大きさのものから手のひらの大きさのものまであり、それぞれが繋がって地図のようになることも多いです。皮疹の持続時間は数十分から数時間以内のことが多いですが、2~3 日持続する例もあります。

  • 急性蕁麻疹・・・発症してから6週間未満のものを「急性蕁麻疹」と呼びます。細菌やウイルスの感染(風邪など)がきっかけになることも多く、適切な治療で比較的早く治まります。
  • 慢性蕁麻疹・・・発症後6週間以上症状が続くものを「慢性蕁麻疹」と呼びます。夕方から夜にかけて悪化する傾向があり、数ヶ月から数年にわたって付き合っていく必要がある場合もあります。基本的に原因は特定できず、数カ月から数年に亘って症状が続くことも多いです。

刺激誘発型の蕁麻疹

特定の刺激や条件が加わった時に症状が誘発されるタイプです。1 日のうち何度も出没することもあり、数日~数カ月間症状が出ないこともあります。遅延性圧蕁麻疹を除いて、皮疹は数十分から数時間以内に消退します。

  • アレルギー性蕁麻疹・・・食物、薬品、植物、天然ゴム製品、昆虫の毒素などに曝露されることにより起こります。特定の抗原物質に対する特異的 IgE を介した即時型アレルギー反応で、通常は抗原への曝露後数分から 1~2 時間以内に生じますが、例外的に翌日アレルギー症状が出るケースもあります(納豆アレルギー、一部の肉アレルギー、アニサキスアレルギー)。蕁麻疹の患者さんの中のわずか数%しかこのタイプには該当しません。口腔粘膜から吸収された未消化の食物抗原によって、食物摂取後の数分~十数分以内に口腔粘膜を中心とした浮腫,違和感を始めとするアレルギー症状を生じることがあり、口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome;OAS)と呼ばれます。この場合、野菜,果物の他,ラテックス蛋白の交叉反応に注意する必要があります。
  • 食物依存性運動誘発アナフィラキシー・・・特定の食物を摂取後、 2~3 時間以内に運動負荷が加わることにより生じるアナフィラキシー反応で,皮膚症状を伴うことが多くみられます。日本では、小麦、エビが原因となることが多いです。全年齢に生じますが、 10 歳代の報告が多いです。症状は非ステロイド系消炎鎮痛薬により増悪しやすく,原因食物と非ステロイド系消炎鎮痛剤の摂取のみで症状が誘発されることもあります。
  • 非アレルギー性の蕁麻疹・・・症状そのものと、原因物質への曝露により症状を生じる点はアレルギー性の蕁麻疹と同様ですが、アレルギー機序を介さないのが特徴で、 I 型アレルギーの検査法により原因物質を特定することはできません。造影剤の静脈注射や、サバ、タケノコなどの摂取により生じるものがあります。
  • アスピリン蕁麻疹・・・アスピリンを始めとする非ステロイド系消炎鎮痛剤の内服、注射または外用により引き起こされる蕁麻疹です。
  • 物理性蕁麻疹・・・皮膚の機械的摩擦、寒冷曝露(冷たさ、寒さにさらされること)、日光曝露、温熱負荷、圧迫、水との接触のいずれかにより生じる蕁麻疹の総称です。出現後数分ないし 2 時間以内に消退しますが、遅延性圧蕁麻疹の場合は、数時間から2日間程度持続します。基本的に刺激を避けることで予防が可能ですが、日常生活の中で完全に排除することが難しい場合もあります。

コリン性蕁麻疹

入浴、運動、精神的緊張などで汗をかいた時に、1ミリから4ミリ程度の小さな発疹が出るのが特徴です。若い方に多く見られ、痒みと「ピリピリとした痛み」を感じることが多いのがこのタイプの特徴です。皮疹は出現後数分から 2 時間以内に消退することが多い傾向にあります。

接触じんま疹

皮膚,粘膜が特定の物質と接触することによって、接触した部位に一致して膨疹が出現します。接触後の数分ないし数十分以内に症状が出現し、数時間以内に消退します。

血管性浮腫(クインケ浮腫)

先述の通り、まぶたや唇が突然腫れるタイプです。遺伝的な要因が関係しているものや、お薬の副作用で起こるものもあります。見た目の変化が大きいため、患者さんの心理的負担も大きい疾患です。

蕁麻疹(じんましん)の治療法について

蕁麻疹の治療において最も大切なことは、痒みの原因となる「ヒスタミン」という物質の働きを抑えることです。当院では、日本皮膚科学会の診療ガイドラインに基づき、段階的な治療を行っています。

じんましんの治療には、現段階では、残念ながら根本的に「治す」「今後、全く出ないようにする」というものはありません。治療の目的は、出てしまった症状を最小限に抑えること、また、症状が出ない状態をなるべく維持することです。

飲み薬での治療が主体ですが、効果がない場合、注射のお薬(ゾレア®、デュピクセント®)を使うことができる場合があります(当院でも行っています)。治療は下記のSTEPに沿って行います(日本皮膚科学会蕁麻疹診療ガイドライン2018に準拠)。

STEP1.抗ヒスタミン薬の内服

治療の基本は、第2世代抗ヒスタミン薬を飲むことです。これはいわゆる「花粉症の薬」と同じ種類の薬剤ですが、蕁麻疹に対しても非常に高い効果を発揮します。ただし、お薬との相性には個人差があります。人によっては眠気が出たり、痒みや症状が治まる薬が見つかるまで時間がかかることがあります。患者さんに最も合うお薬が見つかるまで、皮膚科専門医が慎重に調整を続けていきます。

STEP2.STEP1にトラネキサム酸や漢方薬を追加。

標準的な量のお薬で効果が不十分な場合は、薬の量を増やしたり、別のお薬(トラネキサム酸や漢方薬など)を追加したりします。当院では、一人ひとりのライフスタイルに合わせて、眠気の出にくいお薬を選択するなど、細やかな配慮を心がけています。

※H2ブロッカーや抗ロイコトリエン薬は効果はありますが、蕁麻疹に対しては保険が使えません。

STEP3.STEP1またはSTEP1,2に追加または変更して、ステロイドの飲み薬、ゾレア®(注射薬)、デュピクセント®(注射薬)

飲み薬を工夫しても、なかなか痒みが治まらない重症の慢性蕁麻疹に対しては、注射による治療という選択肢があります。当院では、以下の2種類の注射薬を導入しています。

  • ゾレア®・・4週間に1回投与するお薬です。血液中の「IgE」という物質に直接働きかけ、蕁麻疹の発生を元から抑える効果が期待できます。
  • デュピクセント®・・2週間に1回投与するお薬です。アトピー性皮膚炎の治療にも使われますが、特定のタイプの慢性蕁麻疹にも保険適用が認められています。

※シクロスポリンは効果はありますが、蕁麻疹に対しては保険が使えません。

これらの注射薬は、最初の2回は院内で投与しますが、慣れてくればご自宅でご自身で注射(自己注射)することも可能です。お仕事や学校で忙しい方でも、通院回数を減らしながら高度な治療を継続いただけます。

当院にはゾレア®、デュピクセント®が目的で来院される患者さんが多いですが、本当に注射が必要な患者さんはごく一部です。当院で飲み薬の変更・追加を慎重に行った結果、合う飲み薬が見つかり、ゾレア®、デュピクセント®を投与しなくても症状のコントロールができるようになる患者さんも少なくありません。費用や注射の痛みなどの面から、患者さんにはその方がメリットがあると考えています。

ゾレアの詳細については「ゾレア®」のページを、デュピクセントの詳細については「デュピクセント」のページを参照してください。

治療期間

じんましんの薬は、症状が自然に出なくなるまで、数週間~人によっては数年間続けることになりますが、当院はオンライン診療も行っているため、引っ越し後なども遠方から受診を継続される方が多くいらっしゃいます。

料金について

蕁麻疹の治療は基本的に保険診療となります。ここでは、特にご質問の多い注射薬の窓口負担額(3割負担の場合)の目安を掲載します。診察料や処方箋料などは別途かかりますのでご了承ください。

治療内容 薬剤費の目安(3割負担時) 備考
抗ヒスタミン薬(飲み薬) 数百円-2,000円程度 お薬の種類や日数によります
ゾレア®(300mg皮下注) 約12,000円程度 4週間に1回の投与
デュピクセント®

初回(300mg×2本):約33,000円

2回目以降(300mg×1本):17,000円程度

2週間に1回の投与

※高額療養費制度や付加給付制度の対象となる場合がありますので、詳細はお住まいの自治体や健康保険組合にご確認ください。

蕁麻疹(じんましん)についてのよくある質問

Q1. 妊娠中や授乳中に蕁麻疹の薬を飲んでも大丈夫ですか?

A1. 妊娠中・授乳中の安全性については、完全に確立されているわけではありませんが、多くの抗ヒスタミン薬において胎児への悪影響(催奇形性)の報告はありません。特に、これまでの使用実績が多いお薬を選んで処方することが可能です。痒みによるストレスが母体に悪影響を与える場合もありますので、我慢せずに皮膚科専門医へご相談ください。

Q2. 蕁麻疹が出ている時にお風呂に入ってもいいですか?

A2. 体温が上がると血流が良くなり、ヒスタミンが放出されやすくなるため、症状が悪化することが多いです。蕁麻疹が出ている時は、熱いお湯への入浴は避け、ぬるめのシャワー程度にとどめておくことをお勧めします。同様の理由で、激しい運動や飲酒も控えた方が安心です。

Q3. 食べ物のアレルギーではないと言われましたが、食事で気をつけることはありますか?

A3. 特定のアレルギーがなくても、ヒスタミンを多く含む食品(鮮度の落ちた青魚、ほうれん草、ナス、トマト、たけのこ、ソーセージなど)を大量に摂取すると、蕁麻疹が出やすくなることがあります。また、香辛料などの刺激物も血流を良くするため、症状がある時は控えめにすることをお勧めします。

Q4. 蕁麻疹の薬はいつまで飲み続ける必要がありますか?

A4. 症状が完全に消えてからもしばらくはお薬を続け、徐々に減らしていくのが慢性蕁麻疹治療の基本です。自己判断でお薬を急にやめてしまうと、ぶり返してしまうことが非常に多いです。焦らず、「症状が出ない状態」を一定期間キープすることを目指しましょう。遠方へのお引っ越しなどの際も、当院では「オンライン診療」を活用してサポートを継続しています。

院長より

蕁麻疹は、見た目の派手さや強い痒みのために、患者さんに大きな不安とストレスを与える病気です。特に夜間に痒みが強くなると、十分な睡眠が取れず、日中の仕事や勉強のパフォーマンスが落ちてしまうことも少なくありません。私自身、重症のアトピー性皮膚炎に苦しんだ親族を間近で見てきた経験から、「皮膚の痒みが人生に与える悪影響」を痛感しています。だからこそ、スピカ スキンクリニック 横浜では、どんなに些細な痒みであっても、患者さんの苦痛に寄り添い、真摯に向き合うことを診療のモットーとしています。

当院は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の治療に最も力を入れており、この規模のクリニックとしては珍しく、全身型と部分照射型の両方の紫外線治療器を備えています。蕁麻疹の治療においても、この豊富な経験と設備を活かし、従来の飲み薬だけでは改善しなかった患者さんに対して、注射薬(ゾレア®やデュピクセント®)を含めた一歩進んだ治療提案を行っています。もちろん、まずは体に負担の少ない飲み薬を丁寧に調整し、患者さんの納得のいく治療法を一緒に探していくことを大切にしています。

横浜駅きた西口からすぐという場所で夜間診療を行っているのも、忙しい毎日の中で治療を諦めてほしくないという思いからです。痒みを「体質だから」と諦める必要はありません。皮膚科専門医として、あなたの皮膚の悩みを解決するお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽に、横浜駅すぐの当院へご相談ください。

アトピー性皮膚炎の詳細については「アトピー性皮膚炎」のページを、アトピー性皮膚炎等に対する紫外線治療の詳細については「紫外線療法」のページを参照してください。

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