かぶれ(接触性皮膚炎)の治療
かぶれ(接触皮膚炎)とは
外部の物質による直接的な刺激(①刺激性接触皮膚炎)や、外部の物質に対するアレルギー反応(②アレルギー性接触皮膚炎)によって引き起こされる病気です。
①刺激性接触皮膚炎
外部の物質による直接的な刺激によって引き起こされる接触皮膚炎です。
刺激物そのものが持つ毒性により、誰にでも生じる可能性があります。
刺激物の毒性により皮膚の角化細胞がダメージを受け、炎症を引き起こす物質が放出されることで炎症が起こります。
初めてその物質に接触した人でも発症するのが②との違いです。
コロナ禍で以前に比べて手をよく洗ったり消毒するようになった方が増えていると思いますが、保湿をしっかりしないと、皮膚のバリア機能が低下してしまい、そこに刺激物が接触すると、皮膚炎をおこしやすくなります。
特殊な病名がついている刺激性接触皮膚炎
主婦湿疹(手湿疹)
水仕事頻繁に行う方の手荒れです。水仕事でバリア機能が低下した皮膚に洗剤などの刺激が繰り返し加わることで生じます。
おむつ皮膚炎
口なめ病
②アレルギー性接触皮膚炎
外部の物質に対するアレルギー反応によって引き起こされる接触皮膚炎です。
あらかじめアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質=抗原)に感作された状態の人が、再びアレルゲンに遭遇した場合に発症します(要するに、その物質に接触するのが2回目以上の方に起こります)。
植物では、ウルシやサクラソウ、ギンナンなど、金属ではコバルト、ニッケル、クロム、
食物ではマンゴー、ギンナンなどが頻度が高く、他に化粧品、染毛剤、ゴム、衣類、洗剤、医薬品(湿布薬など)、消毒薬なども原因として知られています。
検査
症状だけで原因を推定できるケースもありますが、はっきりしない場合は、検査キットを用いたパッチテストを行う場合があります。
パッチテストは、検査当日の他、判定のために2日後、3日後、7日後の合計4回、ご来院頂く必要があります。
シャワーは3日後の診察が済むまでは浴びることができません。
背中に検査試薬を貼りますので、ブラジャーなど締め付ける下着は着用できません(相談の上、二の腕に試薬を貼ることもあります) 。
汗をかく時期には正確な判定ができないため、夏季は検査を行えません。
検査キットに含まれていない化粧品、塗り薬を直接皮膚に貼るパッチテストは当院では行っておりませんので、提携医療機関をご紹介します。
治療
接触源を断つことが一番大切です。
他には、日ごろからこまめに保湿をすることを心がける事が大切です。
保湿剤、ステロイドの塗り薬、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤の飲み薬などを併用して治療します。
皮膚の状態が一旦良くなっても、原因となる物質との接触が再び起これば再発します。