目の下のクマは、いくつかの原因が合わさって生じている場合が多く、数種類の治療法を組み合わせて行う必要があります。

医学的に正式な分類はありませんが、便宜的に①茶グマ、②青グマ、③黒グマなどの俗称がつけられています。

①茶グマ

皮膚をこする刺激や、メイクや洗顔の過程での刺激によって、メラニンが沈着することにより発生します。また、炎症後の色素沈着でも生じます。

茶グマの治療はシミ治療と同様のものを行います。

②青グマ

血流が滞り、青色に見えるクマで、皮膚が薄い方に多く見られます。血流を改善させたり、下まぶたのコラーゲンの再生を促すような治療を行います。

③黒グマ

加齢によるコラーゲン線維の劣化が原因で、皮膚にたるみ・シワが生じ、目の下に影ができている状態です。コラーゲンの再生を促し、皮膚のハリ、ボリューム、弾力を増す治療を行います。

クマの治療

＜メディカルコスメ＞　

この治療がお勧めのクマ：茶グマ

メラニン色素の産生抑制効果のあるハイドロキノンクリーム、ビタミンCローション、トラネキサム酸ローション、メラニン色素を外に排出する効果のあるトレチノインなどをいくつか組み合わせて使用するとより効果的です。

＜エレクトロポレーション＞　

この治療がお勧めのクマ：茶グマ

エレクトロポレーションは、針を使わず、電気パルスを用いて、有効な成分を肌の深部まで届ける治療です。色素沈着の原因となっている肌のダメージを修復する成分を導入し、茶グマの改善を促します。刺激が少ないため、目のきわにも安心して施術できます。

エレクトロポレーションの導入効果を高めるため、ケミカルピーリングを前処置として行い、古い角質をオフしておくことをおすすめしています。

＜フォトフェイシャル®M22(IPL・光治療)＞　

この治療がお勧めのクマ：茶グマ、青グマ、黒グマ

フォトフェイシャル®はメラニン色素や、ヘモグロビン(血色素、赤い色素)などの複数の色素に同時にダメージを与え、今まであきらめていた様々な肌トラブルを同時に改善します。
また、肌の弾力を保つために必要なコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す線維芽細胞の働きを活性化させるため、肌の内側からキメの整ったハリのある本来の美しい素肌に導きます。

茶グマに対しては、メラニン色素の破壊による効果、青グマ・黒クマに対しては、下まぶたのコラーゲン生成促進による効果が期待できます。

フォトフェイシャルについて詳しくはこちら

＜リジュラン＞　

この治療がお勧めのクマ：茶グマ、青グマ、黒グマ

リジュランは皮膚の自己再生を促す治療です。

皮膚のハリ、ボリューム、弾力が低下したり、小じわが目立つようになるのは、老化や紫外線ダメージが影響しています。

リジュランは、皮膚の状態を内部から回復させ、自己再生を促すことにより、皮膚にハリ、ボリューム、弾力が増し、しわを目立ちにくくします。

リジュランの主な有効成分は、細胞を活性化する働きを持つポリヌクレオチドです。このポリヌクレオチドはサーモンから抽出されており、線維芽細胞の活性化によるコラーゲン、エラスチンの生成促進、血管新生の促進、抗炎症作用など、皮膚の自己再生能力を促す様々な効果があります。

トラブルが起きている皮膚は、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリ・弾力を保つ成分が減少しています。リジュランは、このコラーゲン・エラスチンの増殖を活性化させることにより、肌のハリ・弾力を改善させます。

また、リジュランには、皮膚内のメラニン（シミ・くすみの原因となる色素）を減少させる効果があります。
これは、リジュランが持つ血管新生の促進、抗炎症作用によるものです。メラニンの生成が抑えられることによって、治療後徐々に肌のトーンが明るくなります。

前述の通り、リジュランの主成分はサーモンから抽出されたポリヌクレオチドですが、この成分は人の体によくなじみます。安全性が高く、副作用などのリスクはほぼ心配ありません。

※魚、魚卵にアレルギーのある方は、この治療を受けられません（このポリヌクレオチドは、サーモンから抽出されています）。

施術の回数

2～4週間に一度の注射を連続3～4回行うのが理想的です。半年～1年後ごとにメンテナンスを繰り返すことでよい状態を維持できます。

効果の出方

治療直後は、肌の潤いが増したことを実感します。ハリの改善を実感するまでには2～3か月かかります。

前述の通り、リジュランは、ボリュームを出すのに必要なコラーゲン、エラスチンといった成分を増やす、皮膚の再生を促す治療です。

ヒアルロン酸とは異なり、リジュラン自体は物理的なボリュームがある物質ではないため、注入部位に施術直後からハリが出るわけではなく、コラーゲン、エラスチンが増えてから徐々にハリやボリュームが出てくる治療です。

痛み

表面麻酔を行い、極細の注射針を用いますが、目の周囲や首は痛みを感じやすい部位であること、数十カ所に細かく注入ため、痛みは感じます。

当日の流れ　※事前に(前日までに)カウンセリング、医師の診察を受けて頂き、治療可能と判断された場合に後日の施術予約をお取りしています。

①メイク落とし、洗顔：美容専用のパウダールームにメイク落とし、洗顔料、タオルのご用意がございます。

②施術前の再確認：事前のカウンセリング・診察で方針は既に決定していますが、カウンセラーがお悩みとご希望を再度確認し、医師に引き継ぎます。

③麻酔：注射をする部位に、麻酔薬を塗り、ラップで覆い、20～30分程度お時間を置き、麻酔の効果が出るのを待ちます。

④医師による施術：麻酔が効いたのを確認したのち、麻酔薬をふき取り、リジュランの注射を開始します。お悩みの部位に集中的に注射を行います。所要時間は、１本の場合で約10分程度です（追加1本ごとにプラス5分程度）。

⑤止血、冷却、鎮静：針を刺す治療ですので多少は出血します。圧迫して止血し、約5分程度クーリングをおこないます。

⑥スキンケア：パウダールームに低刺激の基礎化粧品のご用意がございます。メイクは当日は避けて下さい。

ダウンタイム

蚊に刺されたようなブツブツとした細かいふくらみと赤みが注射した箇所全て(数十カ所)に発生します。ふくらみのピークは注射直後で、時間とともに平らになっていき、平均１～２日後には目立たなくなります。赤みも1～２日後には治まります。まれに青紫色の内出血が起こることもあり、その場合は数日かけて徐々に黄色っぽい色に変化し、2週間程度の期間で最終的には消失します。大切なイベントがある場合は、2週間前以上前に治療を受けて頂くことをお勧めしています。他に、痛み、熱感、つっぱり感、硬結を生じる場合もあります。

アフターケア

・施術当日は、激しい運動、長時間の入浴、サウナ、過度な飲酒など、血流が良くなる行為は避けて下さい。シャワー、洗顔は可能です。

・施術後2週間は、注射部位を刺激したり、強く揉んだりしないで下さい。

リスク

・まれに感染、アレルギー反応、感覚異常などが生じることがあります。

治療を受けられない方

・魚・魚卵アレルギーの方、妊娠中・授乳中の方、抗凝固剤・免疫抑制剤等を使用している方、がん治療中の方、ヘルペスの症状が出ている最中の方、自己免疫疾患の方、リドカインアレルギーの方など。

・次の部位への施術はできません：1か月以内にレーザーを照射した/する予定のある部位、2週間以内に注射をした部位、2か月以内に手術を受けた部位、金属挿入部、プロテーゼ・アクアミドなどの注入部位

治療を受けられない可能性がある方

・ケロイド体質の方、重度のアレルギーのある方、膠原病の方、流産・中絶から3ヶ月以内の方、心疾患のある方、膠原病の方、糖尿病の方、てんかんの方、感染症の方、アトピーの方、炎症性ニキビの方、注入希望部位に美容整形を行ったことがある方

※既往歴、現病歴、手術歴、使用中・服用中のお薬について、妊娠・授乳・出産について、アレルギー、その他お体で心配なことがございましたら、必ず事前にご申告下さい。申告がない場合、当院では一切責任を負いかねます。