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デュピクセント

デュピクセント(デュピルマブ)とは

アトピー性皮膚炎の全身療法の一つです。

全身療法とは患部(局所)に薬を塗る外用療法ではなく、全身に対して行われる治療のことです。ステロイド・プロトピック・コレクチムなどの塗り薬を一定の期間きちんと使ってもなかなか改善しない、中等症以上のアトピー性皮膚炎の方に対して行います。

 近年、新薬が次々に登場し、これまでどんな治療でも改善が見られなかった患者さんに、かなりの効果をもたらしています。いずれの薬も、「ステロイド・プロトピック・コレクチムなどの塗り薬を一定の期間きちんと使ってもなかなか改善しない、中等症以上の方」にしか投与できないという決まりがあり、他にもいろいろな条件があります。診察の際に全身の皮膚の状態を診させて頂き、どの程度の重症度なのかを判定する必要があります。費用の目安は、3割負担で1か月あたり4~5万円(薬の種類や、保険の自己負担割合によります)と高額です。高額療養費制度を利用できる薬もあります。詳しくは、ご自身の加入している健康保険組合にご確認頂く必要があります。また、患者さんからの希望があっても、条件に該当しなければ投与できない点にご注意下さい。

 全身療法を希望して来院される患者さんがよく言われるのが、「この薬を始めたら、面倒な保湿や塗り薬をしないで済む」という誤解です。これらの薬を始めても、皮膚のバリアが弱いという元々の体質自体は改善されないため、保湿をやめることはできません。また、炎症は少しずつ時間をかけて良くなっていきますので、しばらく(数か月から数年)は塗り薬も必要です(ただしステロイドの強さは症状が良くなるにつれて下がっていきますし、塗る回数も減っていきます。最終的にはステロイド以外のプロトピック、コレクチムに移行します。

デュピクセント(デュピルマブ)の特徴

・「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン;体内の細胞同士の情報伝達を行うタンパク質)の働きを直接抑えることで、皮膚の2型炎症反応(Th2細胞による炎症)を抑制する新しいタイプのお薬です。

・2週間に一度注射する薬で、15歳以上の方が使用できます。

・妊娠中・授乳中の方には、治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与可、という記載がありますので、ご相談の上の投与となります。

・アトピー性皮膚炎の皮膚の内部に起きている炎症反応を抑えることによって、かゆみなどの症状や、皮疹などの皮膚症状を改善します。最初のうちはクリニックで注射します。何度か院内でご自身で注射する練習をして頂いた後、ご自宅で注射する段階に移行します。症状が安定してきたら、数本まとめて処方しますので、通院回数を減らすことができます。

・副作用として頻度が高いものに結膜炎があります。投与を始める前に、予め採血をして、投与しても問題のない状態かどうかを確認する必要があります。

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