酒さ(赤ら顔)、毛細血管拡張症
酒さ(赤ら顔)とは
中高年の顔面、特に鼻によくできる病気です。
赤みと血管拡張が数か月以上続き、ニキビのようなできものも混じる事があります。
分類
酒さは4種類に分類されます。
紅斑毛細血管拡張型(第1度酒さ)
鼻先、頬、眉間、顎に赤みが出て、徐々に毛細血管の拡張と脂漏(皮脂腺の過剰分泌)を伴うようになります。飲酒や温度差で症状が強く出ます。かゆみやほてり、わずかな刺激でも違和感を感じるというような自覚症状もあります。
丘疹膿疱型(第2度酒さ)
第1度酒さが進行した状態。ニキビに似たできものができ、脂漏が強くなります。顔全体に症状が広がります。
瘤腫型(第3度酒さ)
丘疹が融合し、こぶのようになります。特に鼻の毛孔が拡大し、凹凸が目立つようになり、色調は赤紫色になります。
眼型
目の周りの腫れや結膜炎、角膜炎を起こします。
原因
原因は不明です。
紫外線の刺激や、精神的ストレス、飲酒、刺激物の摂取、ニキビダニなどが発症に関与していると考えられています。
治療
非常に治りにくく、「前の病院で治らなかった」といっていくつもの医療機関を渡り歩く方が多い疾患です。
決定的な治療薬はありませんが、海外ではメトロニダゾールゲル(ロゼックスゲルⓇ)が広く使われており、日本でもようやく最近保険適用されました。
当院でもロゼックスゲルを使用し、改善している患者さんが多くいらっしゃいます。
また、ニキビの治療でも使われるイオウ・カンフルローションも併用しています。
ほてり感に関しては、越婢加朮湯や白虎化人参湯などの漢方薬を併用することもあります。
酒さには、生活習慣が大きく関わっているため、日焼け止めの使用、帽子の着用、日傘の使用などの紫外線対策、ストレス対策、刺激物やカフェイン、アルコールの摂取を控えるなど、ご自身でできることを少しずつ行って頂くことで、徐々に症状が改善していきます。
保険診療で効果が出なかった方には、アゼライン酸を用いることもあります(自費診療⦅100%自己負担⦆)。
毛細血管拡張に対しては、自費診療(100%自己負担)になりますが、レーザー治療を行うことがあります(当院にはこのレーザーはありませんので、提携医療機関をご紹介します)。