単純ヘルペス(口唇・外陰部)
ロ唇(こうしん)や陰部に痛みを伴う小さい水ぶくれができる病気です。
水ぶくれができる数日前からピリピリした感じなどの予兆を自覚する方が多いです。
原因
ウイルスは皮膚と皮膚の直接の接触で感染します。幼少時に母親などから感染(口移しで食べ物をもらうなど)する場合と、性交渉で感染する場合とがあります。
疲労、風邪、その他ストレスなどの免疫力の低下した際に、神経に潜伏していたウイルスが活性化して発症します。
日頃からバランスのとれた食事、とくにビタミ ン類を積極的にとることが大事です。
また、飲酒、喫煙はビタミンを壊すことも あるため、過剰にとらないように気を付けましょう。
経過
ピリピリした痛みを感じる → 水ぶくれができる → かさぶたになる →色素沈着(茶色い痕)になる→1~2週間で症状が治まります。
一旦症状が治まっても、疲れやストレスで再発します(多い場合は月1回程度の頻度)。
治療
抗ウイルス薬には飲み薬(ファムビル、バルトレックスなど、5日間飲みきり)と塗り薬 (アラセナ軟膏)がありますが、健康保険では両方を同時に処方することができ ませんので、どちらかを選択します。
飲み薬の方が比較的症状が治まるのが早い傾向にあります。
※飲み薬は腎臓に影響することがあるため腎障害のある方には薬の減量が必要です(場合によっては処方できません)。
症状の出始め(ピリピリ感を感じ段階)に内服するのが効果的です。年に何回も繰り返している方には、予め飲み薬を処方しておくことができる場合があります(再発抑制療法、PIT;Patient Initiated Therapy)。
性器ヘルペスを年6回以上発症する方には、1年間毎日内服する抑制療法があります。
ウイルスを体から排除することはできません(根治療法はありません)。
再発抑制療法(PIT;Patient Initiated Therapy)とは
下記の3つの条件に該当する患者さんに対しては、症状が出る前に予め飲み薬を処方しておくことができます。
①同じ病型の再発を繰り返す患者
②再発頻度がおおむね年3回以上の患者
③初期症状を正確に判断できる患者
・ファムビル:初期症状が現れてから6時間以内に1回1000mg、さらに12時間後に2回目(1000mg)を服用します。
・アメナリーフ:初期症状が現れてから6時間以内に、1200mgを食後に服用します。
注意事項
唾液にウイルスが含まれている可能性があります。症状が出ている際は他人への頬ずり等は避けてください(特に乳幼児への接触には気を付けて下さい)。
陰部ヘルペス発症中は性的接触を避けて下さい。