多汗症(腋窩、手足、全身)
日常生活の中で、ふとした時に「自分は人より汗が多いのではないか」と不安になったことはありませんか。着たい色の服を諦めたり、仕事で大切な書類が濡れてしまったり、あるいは手をつなぐことをためらってしまったりと、汗のお悩みは単なる体質の問題を超えて、心に大きなストレスをもたらします。多汗症は決して恥ずかしいことではなく、適切な医療によって改善が期待できる疾患です。
横浜駅きた西口から徒歩3分の「スピカ スキンクリニック 横浜」では、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医である院長が、患者さんのお悩みに真摯に耳を傾けています。私たちは、アトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚疾患の治療に力を入れており、その一環として生活の質(QOL)を大きく左右する多汗症の治療にも積極的に取り組んでいます。
当院の特徴は、通いやすさと専門性の両立です。ターミナル駅である横浜駅からすぐの立地で、夜間診療も行っているため、お仕事や学校で忙しい方でも無理なく治療を継続していただけます。汗の悩みで受診を迷われている方も、まずは一度、私たちにご相談ください。あなたの毎日がより快適になるよう、全力でサポートいたします。
多汗症の症状について
多汗症の症状は、単に汗の量が多いというだけでなく、その汗によってどのような「困りごと」が起きているかが重要です。汗が出る部位によって、日常生活での悩みは多岐にわたります。当院を訪れる患者さんからも、次のような具体的な症状についてご相談をいただくことが多いです。
腋窩(わきの下)の症状
わきの下の汗は、特に衣服に関する悩みに直結します。特定の色の服を着ると汗じみが目立ってしまったり、冬場でもコートの下でわきだけがびっしょり濡れてしまったりします。また、汗による蒸れが原因で、皮膚の赤みやかゆみを引き起こすこともあります。これはアトピー性皮膚炎などの素因がある方にとっては、さらなる悪化因子となることも少なくありません。
手掌(手のひら)の症状
手のひらの汗は、対人関係や仕事、勉強の効率に影響を及ぼします。例えば、次のような症状でお困りではありませんか。
- 緊張すると汗が滴り落ちるほど出てくる
- テストの際、解答用紙が汗でふやけて破れてしまう
- スマートフォンやパソコンの操作に支障が出る
- 握手や手をつなぐことに強い抵抗感がある
足底(足の裏)の症状
足の裏の汗は、靴の中の環境を悪化させます。常に足が湿っているため、靴下がすぐに濡れてしまったり、靴の中で足が滑って歩きにくさを感じたりします。また、強い蒸れは細菌やカビが増殖しやすい環境を作るため、足のニオイや、水虫(白癬)の原因になることもあります。当院では「水虫(白癬)」のページでも解説している通り、多汗が足の皮膚トラブルを招く臨床パターンを多く経験しています。
全身の症状
特定の部位だけでなく、体全体から大量の汗が出る場合もあります。夏場だけでなく、少し動いたり食事をしたりするだけで全身から汗が噴き出し、着替えが何度も必要になるなど、社会生活において大きな負担となります。全身性の場合は、体質的なもののほかに、背後に他の疾患が隠れている可能性も考慮して慎重に診察を行います。
多汗症の原因について
多汗症の原因は大きく分けて、特定の原因がない「原発性」と、他の病気や状態に伴って起こる「続発性」の2つに分類されます。診察の際には、まずこのどちらに該当するかを見極めることが治療の第一歩となります。
原発性多汗症の原因
ほとんどの多汗症患者さんは、この原発性に該当します。特に他の病気があるわけではないのに、交感神経が過剰に反応してしまうことで汗腺(エクリン腺)から大量の汗が分泌されます。なぜ交感神経が過敏になるのか、その完全なメカニズムは解明されていませんが、遺伝的な要素が関わっているという説もあり、幼少期や思春期から症状が出始めることも多いのが特徴です。
続発性多汗症の原因
こちらは、何らかの基礎疾患や原因があって、その症状の一つとして汗が増えている状態です。主な原因には以下のようなものがあります。
- 内分泌・代謝疾患(甲状腺機能亢進症など)
- 神経疾患
- 感染症
- 更年期障害などのホルモンバランスの変化
- 特定の薬剤の副作用
当院では、患者さんの全身状態を丁寧に確認し、必要であれば適切な検査や他科との連携を検討します。続発性の場合は、元の原因となっている病気の治療を優先することが重要です。
多汗症の病気の種類について
多汗症は、汗をかく範囲によって大きく2つの種類に分けられます。それぞれ治療のアプローチが異なりますので、ご自身の汗がどのパターンに当てはまるかを確認していきましょう。
局所多汗症
体の特定の部位(わき、手、足、顔など)に限定して大量の汗をかくタイプです。特に精神的な刺激、つまり緊張やストレスを感じた時に汗が増える傾向がありますが、リラックスしている時でも汗が出ることもあります。日本人の約10%がこの局所多汗症であると言われており、非常に多くの人が密かに悩んでいるのが現状です。
全身性多汗症
体幹部を含む全身の広範囲で汗が増えるタイプです。温熱刺激(気温の上昇)に対して過剰に反応する場合もあれば、特に理由なく常に全身から汗が出る場合もあります。全身性の場合は、前述した「続発性」の可能性が局所性よりも高まるため、血液検査などで内科的な原因がないかを精査することがより重要になります。
多汗症の治療法について
多汗症の治療は近年、保険適用となる新しいお薬が登場するなど、選択肢が広がっています。スピカ スキンクリニック 横浜では、ライフスタイルや症状の程度に合わせ、以下のような治療を行っています。
外用薬(塗り薬)による治療
部位に応じた保険適用の塗り薬があります。これらは汗腺にある受容体をブロックすることで、汗の分泌を抑える効果が期待できます。
- エクロックゲル・・わき(腋窩)の多汗症に使用するゲルタイプのお薬です。12歳以上の患者さんが使用できます。
- ラピフォートワイプ・・わきに使用する、1回使い切りのシートタイプのお薬です。9歳以上の患者さんが使用できます。
- アポハイドローション・・手のひら(手掌)の多汗症に使用するお薬です。12歳以上の患者さんが使用できます。
いずれも使い続けることで効果を維持するタイプのお薬ですので、正しい塗り方と継続が大切です。当院ではアトピー治療で培った丁寧な外用指導のノウハウを活かし、患者さんが効果を実感できるまで繰り返し説明いたします。
内服薬(飲み薬)による治療
全身性多汗症や、外用薬だけではコントロールが難しい場合に検討します。抗コリン薬(プロ・バンサイン)は、発汗を促すアセチルコリンの働きを抑えるお薬です。また、自律神経を整えるお薬(グランダキシン)や、体質に合わせた漢方薬(補中益気湯、防風通聖散など)を処方することもあります。飲み薬には喉の渇きや便秘といった副作用が出る可能性があるため、状態を見ながら慎重に調整します。
イオントフォレーシス(手足の治療)
当院では2025年6月3日より、手足の多汗症に対するイオントフォレーシス治療を開始しました。これは水道水を入れたトレイに手足を浸し、微弱な電流を流す治療法です。電流によって生じる水素イオンが汗腺を一時的に働きにくくすることで、発汗を抑制します。(ガイドライン推奨度B「行うよう勧められる」)

週に2~3回程度の通院からスタートし、効果が出てきたら回数を減らして維持していきます。痛みはほとんどありませんが、ピリピリとした感覚がある場合は出力を調整して対応します。なお、この治療は医師の診察により許可が出た方のみ、完全予約制で承っております。
こんな方にお勧めです
- アポハイドローション(手の多汗症)の効果が不十分な場合。
- 足の多汗症の治療を行いたい場合。
- 飲み薬(抗コリン剤、自律神経調整剤、漢方など)の効果が不十分な場合。
- 勉強・仕事中に紙やキーボードが湿る、濡れるなどして気になる場合。
注:医師から原発性掌蹠多汗症、原発性手掌多汗症の診断を受けた方のみ対象となります
対象:手足の多汗症
治療時間:10~20分程度
治療法:水道水が入ったトレイの中に、ガーゼをのせた電極パッドがあります。手または足をトレイの水の中に浸し、ガーゼをのせた電極パッドに密着させます。
治療の頻度:週に2~3回から開始し、効果が出てきた場合、週1回程度で継続します。
ご持参頂く物:治療を受ける度に、毎回、次の物をご持参下さい。①フェイスタオル3枚(約34cm×85cm程度。2枚は水に浸して使用し、1枚は最後に患部の水を拭き取るのに使用します)、②濡れたタオルを入れて持ち帰る用のビニール袋。
治療前の準備:前日から治療部位やその周囲には何も塗らないようにして下さい。薬やクリーム、マニキュア、ペディキュア、爪の矯正器具(ワイヤー、プラスチック器具等)全て不可です。
治療時の注意:ジェルネイル・マニキュア・ネイルチップ・指輪・時計・ネックレス・ピアス等は外して下さい。
効果:計5回程度で効果が出始めます。計10回ほどで効果を実感できることが多いです。効果が出た後も、維持目的で週に1回継続することをお勧めします。
副作用:代償性多汗(治療部位とは異なる部位の汗の量が増えること)はありません。多少ピリピリ感を感じることはありますが、出力の調整で軽減できます。強い痛みはありません。
対象年齢:じっとしていられれば、子供でも可能です。
治療を受けられない方:
- 心臓に障害のある方
- ペースメーカーを埋め込まれている方
- 妊娠中・授乳中の方
- 施術部位に傷のある方
- 水虫の方
- 施術部位近くの体内にインプラントや骨固定等の金属がある方
- 刺青、タトゥーがある方
医療機器承認番号:30400BZX00179000 クラス分類:Ⅱ管理医療機器
費用:保険適用、3割負担で660円/回。別途、再診料および1,100円/回の予約料※が毎回必要です。
※選定療養費としての予約料。保険診療と保険外診療の併用(混合診療)を「予約に基づく診察」として認められている保険外併用療養制度に基づくもの。
その他の治療
重症のわき汗に対しては、ボトックス注射という選択肢もありますが、現在当院では休止しております。再開の際はお知らせいたします。また、当院では多汗症に対する手術治療は行っておりませんので、あらかじめご了承ください。
料金とよくある質問
多汗症の治療は、基本的に保険診療の範囲内で行うことが可能です。費用面についても、安心して治療を始めていただけるよう努めています。
料金について
初診料や再診料のほか、処方されるお薬代がかかります。
| 薬品名 | 1日あたりのお薬代(3割負担の場合) |
| エクロックゲル(わき、外用剤) | 約100円 |
| ラピフォートワイプ(わき、外用剤) | 約75円 |
| アポハイドローション(手、外用剤) | 約100円 |
| プロ・バンサイン(内服薬) |
約18円(1日3錠の場合) |
多汗症についてのよくある質問
Q1. どのくらいの頻度で通院が必要ですか?
A1. 塗り薬の場合ははじめは副作用の確認のため1~2週間後に来院して頂きますが、徐々に受診間隔を開け、月に1回程度の受診となることが多いです。イオントフォレーシスの場合は、治療開始直後は週に2~3回の通院が理想的です。効果を実感できるまで(通常10回程度)は頻繁に通っていただく必要がありますが、状態が安定すれば週に1回程度のメンテナンスで維持できるようになります。横浜駅周辺で活動されている方なら、お仕事帰りなどにも立ち寄りやすいかと思います。
Q2. 子供でも治療を受けられますか?
A2. はい、可能です。但し塗り薬は、種類によって使用可能な年齢が異なります。エクロックゲルは12歳以上、ラピフォートワイプは9歳以上、アポハイドローションは12歳以上のお子さんに使用可能です。イオントフォレーシスは、お子さんでも治療を受けられます。ただし、イオントフォレーシスについては、10分~20分程度じっと座っている必要があるため、それが可能な年齢からとなります。汗の悩みは学業や部活動、自信にも関わりますので、お早めにご相談ください。
Q3. 治療を受けられない場合はありますか?
A3. イオントフォレーシスについては、ペースメーカーを装着されている方、妊娠中・授乳中の方、施術部位に傷やインプラントなどの金属がある方はお受けいただけません。また、塗り薬についても持病やアレルギーによって慎重に選ぶ必要があります。診察時に詳しくお話を伺います。
院長より
皮膚科医として多くの患者さんを診てきて感じるのは、汗の悩みは決して「ただの汗」ではないということです。私が最も力を入れているアトピー性皮膚炎の患者さんも、汗によって痒みが誘発され、それがさらなるストレスとなって症状が悪化するという悪循環を抱えていらっしゃいます。多汗症も同様に、目に見える汗の量だけでなく、その裏側にある精神的な苦痛や、日常生活の制限が非常に大きい疾患です。
私の親族には、重症のアトピー性皮膚炎による激しい痒みで目をこすり続け、20代で白内障の手術を受けた人がいます。当時、まだ医師ではなかった私は何もできませんでしたが、その時の無力感が、今の「患者さんの悩みを根本から改善したい」という情熱の源になっています。汗の悩みも、放置すれば対人恐怖や自信の喪失につながりかねません。同じような辛い思いをする方を一人でも減らしたいと願っています。
スピカ スキンクリニック 横浜は、横浜駅から徒歩すぐの立地で、夜間診療を行っています。これは、忙しい社会人や学生さんが、治療を途中で断念してほしくないという思いからです。皮膚科専門医として、医学的根拠に基づいた治療を提供するとともに、塗り薬の継続方法などについても、マスターできるまで根気よくご説明します。汗のことで悩み、一人で抱え込む必要はありません。ここに来てよかったと思っていただけるよう、スタッフ一同、温かくお迎えいたします。まずは気軽な気持ちで、扉を叩いてみてください。
受診に関する詳細は「受診について」のページを、当院への道のりは「アクセス」のページをそれぞれご確認ください。

